3級で勉強した「売掛金」は、得意先に対する掛売上に使用する勘定科目でした。売上代金をまとめて後で受け取ることを掛けといいましたね。売上時のお金を受け取ることの出来る権利が「売掛金」でした。
2級で登場する「クレジット売掛金」はクレジットカードの普及に伴い、平成28年度から日商簿記検定に新たに追加された勘定科目です。
それだけ多くの人がクレジットカードを使っているということです。一般的に普及されているわけですね。
クレジットカードにより商品を販売した時に代金を受け取っていない場合は、通常の「売掛金」とは区別し「クレジット売掛金」(資産グループ)を使用します。
①商品の販売
クレジットカードを使うお客様に対して商品を販売した場合は、得意先に対する「売掛金」と区別して、クレジットカード会社に対する債権として「クレジット売掛金」として処理します。売掛金はあくまでもお客様に対しての債権。クレジット売掛金は、クレジットカード会社に対しての債権になります。請求先が違うわけです。
②支払手数料
お店が受け取れる金額は手数料を差し引いた金額になります。クレジットカードの利用に際してはクレジットカード会社に対して手数料の支払いが発生します。クレジットカード会社に対する手数料は支払手数料(費用グループ)で処理します。
手数料を販売時に処理するのか、別のタイミングで処理するのかは、問題文に指示があります。
③商品代金の立替払い
クレジットカード会社が一定期間のクレジットカードを使用した売上金額を集計し、手数料を差引いた金額をお店に対して支払います。お客様の代わりにクレジットカード会社が立替払いをしてくれるわけです。クレジットカード会社から代金を受け取ったら「クレジット売掛金」を減少させます。
④商品代金の支払い
商品購入者であるお客様がクレジットカード会社に商品代金を支払います。
クレジット取引の流れ①②
問題1.商品100,000円をクレジットカードにより販売した。なお、信販会社への手数料は販売代金の2%であり、販売時に計上する。
商品は100,000円販売しているので、売上金額は100,000円です。クレジットカードで商品を販売しているので、代金はクレジットカード会社に請求することになります。金額は、クレジットカードでの支払いで手数料が2,000円発生するので、クレジット売掛金は100,000円から手数料2,000円を差引いた、98,000円です。
クレジット取引の流れ③
問題2.クレジット取引について、2%の手数料を差引かれた手取額が信販会社から当社の当座預金口座に振り込まれた。
まとめ
クレジットカード会社に対する債権…クレジット売掛金 (後日クレジット会社から代金を受取る)
クレジットカード会社に手数料が発生…支払手数料