現金とは、一般に現金といえば私たちがいつも使っている紙幣や硬貨などの通貨のことを言いますが、簿記の世界ではその他に、すぐに換金できるもの(通貨代用証券)も現金として扱います。簿記でいう「現金」とは、「簿記の世界の現金」のことです。通貨のほかに通貨代用証券も現金として扱います。
簿記上の現金 硬貨、紙幣 他人振出小切手 配当金領収書 送金小切手 普通為替証書
「現金」「当座預金」は資産グループです。ですので現金が増加したら、左側に。現金が減少したら右側に仕訳をしましょう。
5月10日 商品10,000円を販売し、代金は他人振出小切手を受け取った。
5月20日 保有している浜松株式会社の株式の配当として、配当金領収書20,000円を受け取りました。
当座預金とは
銀行などの金融機関と当座取引契約を結んで当座預金口座を開設すると、小切手の振出しが出来るようになり、これで決済を行えるようになります。いつでも預入れ、引出しの出来る無利息の銀行預金を当座預金といいます。銀行の預金口座の一つです。
当座預金の預け入れや引き出しは、当座預金勘定(資産)で処理され、当座預金に預け入れた時は借方(資産の増加)、当座預金を引き出したとき貸方(資産の減少)に仕訳します。小切手の振出しは「当座預金」の減少として処理をします。
5月15日 浜松株式会社は、名古屋株式会社から商品30,000円を仕入れ、代金は小切手を振出して支払った。
5月18日 浜松株式会社は、横浜株式会社へ買掛金25,000円を小切手を振出して支払った。
5月20日 横浜株式会社は浜松株式会社より売掛金30,000円の回収のため先方振り出しの小切手で受取り、ただちに当座預金に預け入れた。
※他人振出小切手を受け取った場合は、現金の増加として処理するが、ただちに当座預金に預け入れた場合は「当座預金」の増加として処理
現金過不足とは
現金に関する取引は頻繁に行われるため、現金の有高は絶えず変動します。そこで、現金の実際有高(金庫に入っている現金残高)と帳簿残高(現金出納帳の残高)が一致しないケースが出てきます。これを現金過不足といいます。
現金過不足が生じたときの処理
帳簿残高を実際有高に合わせるため、現金勘定を増減させます。相手勘定は現金過不足です。
実際有高<帳簿残高 であれば、現金が減ったことにします。
6月5日 現金の実際有高が帳簿残高より5,000円少なかった。
実際有高>帳簿残高 ならば、現金が増えたことにします。
6月10日 現金の実際有高が帳簿残高より10,000円多かった。
帳簿残高を実際有高に合わせます。
帳簿残高を5,000円少なくすれば現金有高と一致します。
仕訳は「現金」を減少させて相手勘定科目は「現金過不足」で処理します。
(借)現金過不足 5,000 (貸)現金 5,000
帳簿残高を実際有高に合わせます。
帳簿残高を10,000円増やせば現金有高と一致します。
仕訳は「現金」を増加させて相手勘定科目は「現金過不足」で処理します。
(借)現金 10,000 (貸)現金過不足 10,000