売り物である品のことを商品といい、その商品を買ってくることを「仕入れる」といいます。
商品を仕入れたときには、その商品の原価(仕入原価)を「仕入」勘定(費用グループ)を使って処理します。
「仕入」は費用グループです。仕入れたときには、左側に仕訳をします。返品した場合や値引きの場合は右側に仕訳をすることになります。固定資産の場合と同じで、もしも当店負担分の運送料や保険料などの仕入諸掛り(付随費用)があれば、仕入価格に含めて処理をします。商品売買の処理方法は2種類あって、三分法と分記法です。試験によく出る三分法をご紹介します。分記法はまたいつか。
なお、商品を仕入れ、その代金を後日支払うことにした場合は、買掛金勘定(負債)に記帳し、また、商品を売上げ、その代金を後日受取ることにした場合は、売掛金勘定(資産)で記帳される。
5月15日 商品1,500円を仕入れ、当店負担の仕入諸掛り100円と一緒に現金で支払った。
商品仕入れ分1500円と当店負担分の仕入諸掛り100円を足した1,600円が、仕入の金額になることに注意してください。
買掛金勘定は、仕入時の未払金という意味合いです。まだ支払っていないので負債として処理します。負債は右側で仕訳します。
問題文では、「まだ支払っていない。」「代金は掛けとした。」といった表現になります。
5月20日 商品1,500円を仕入れ、代金は掛けとした。
いったん仕入れた商品を、傷がある、品違いだという理由で返品することがあります。返品は「仕入戻し」という言い方をします。
傷があったりして値引きを受けることがありますが、これは「仕入値引」といいます。
どちらも仕入時の仕訳を取り消します。要するに仕入れた時の逆仕訳をします。(仕入れた時の仕訳を左右逆にすればOK!)
5月21日 5月20日仕入れた商品に傷があったので、100円の値引きを受けた。
商品を販売することを、「商品を売上げる」と言います。
商品を売り上げた場合は、その商品の売価(売値)を「売上」勘定を(収益グループ)で処理します。
「売上」は収益グループです。売り上げた場合は右側に仕訳をすることになります。売り上げた商品を値引き、返品された場合は逆になり左側に仕訳をすることになります。売上の際に発生する当店負担分の運送料などは「発送費」勘定(費用グループ)を使って処理します。
5月25日 商品2,000円を売上げ現金で受け取った。
売掛金勘定は、売上時の未収金という意味合いです。まだお金を受け取っていないので、「資産」として処理します。資産は左側で処理します。問題文では「掛けで売り上げた」「代金はまだ受け取っていない」といった表現になります。
5月28日 商品2,000円を掛けで売上げ、当店負担分の運送料100円は現金で支払った。
当店負担分の運送料(販売諸掛り)は「発送費」費用グループで処理します。
いったん売り上げた商品を、傷がある、品違いだという理由で返品されることがあります。返品は「売上戻り」と言います。傷があったりして値引きをすることがありますが、これは「売上値引き」と言います。
どちらも売上時の仕訳を取り消します。要するに売り上げた時の逆仕訳をします。(売り上げた時の仕訳を左右逆にすればOK!)
5月30日 5月28日に売り上げた商品100円が返品されてきた。
仕入時に当店負担分の運送料(仕入諸掛)が発生した場合は「仕入」の金額に含めて処理をしますが、先方負担の運送料を当店が代わりに支払った場合には「立替金」勘定を使って処理します。立替金は、立て替えたのだからいずれ支払ってもらえる。→将来お金が増える。ということで資産グループになります。問題分を読むときは「当店負担」か「先方負担」か注意してください。
5月25日 商品を500円を掛けで仕入れた。その際当店負担分の運送料100円を現金で支払った。
5月25日 商品500円を掛けで仕入れた。その際先方負担分の運送料100円を現金で支払った。
立替金勘定を遣わずに、買掛金の減少として処理する方法もあります。
5月25日 商品500円を掛けで売上げた。その際当店負担分の運送料100円を現金で支払った。
5月25日 商品500円を掛けで売上げた。その際先方負担分の運送料100円を現金で支払った。
立替金勘定を使わずに、売掛金勘定に含めて処理する方法もあります。